デス・オーバチュア
第83話「道化の見る夢」




ハイエンド家。
その歴史は約千年、それは百年足らずしか生きられない人間としては長い時間でありながら、歴史的には短い時間だった。
千年前、地上に残された魔族を祖とするハイエンド家は人間であって人間でない一族。
彼等は自分達の血の純血を守りながら、同時に、より強い血を生み出そうともしていた。
血の濃さを高めるための近親婚を繰り返しながら、同時に自分達以上の化け物との交わりも行う。
その結果、生まれたハイエンド家の呪われた血の集大成、最高傑作こそアクセル・ハイエンドだった。


誰もいない荒野に一人立つ。
背後を振り返っても、そこにあるのは屍の山だけだ。
金髪碧眼の赤と黒でデザインされたレザーコートの男は血で赤く染まった己が両手を無感情に見つめる。
この赤は……血族、己を生み出した者達の血、けれど、男にとっては血はただの血に過ぎなかった。
「はっ! じじいども一人残らずぶっ殺しちまって、これからどうするんだよ、アクセル?」
男の影から黒いレザーコートの男が姿を現す。
黒いレザーコートの男は、男とまったく同じ顔をしていた。
黒いレザーコートの男の腕の中には一人の幼い少女が抱かれている。
「さあ、後は俺とこいつ……ミーティアを殺せば、ハイエンド家は滅びる……いや、あんた唯一人が最後の末裔として残るわけだ。それが望みなんだろう?」
「…………」
しばしの間の後、男は微笑した。
「……大切な弟と妹を殺せるわけがないだろう、ラッセル?」
「ああっ!? 一族皆殺しにしたばかりの奴が何を説得力のないことを言ってやがる!」
「一族か……もう奴らから学ぶことは何もなかった……煩わしく思えた……だから消した……それだけだ……」
「はっ! ご立派な理由だな……で、後二人殺せばお前は雑音を聞かなくて済む、誰の命令も聞かずに済む……完全な自由ってのを手にするわけだ?」
ラッセルは皮肉げに言う。
「おかしなことを言うな、ラッセル。自由ならもう手に入った……お前が私に命令することなどあるまい? お前は命令される方、私の影なのだからな」
「ちっ……」
「そして、ミーティアは私の唯一人の可愛い妹だ。この世で唯一人、愛情を注ぐことのできる他者……それを殺すなどできまい?」
「ハイエンド家はもう滅んだも同じだ! 俺がお前の影武者を続けなければいけない理由がどこにある!? 俺はもう好きにさせてもらう! それが許せないなら、ここで殺しやがれっ!」
「……ふむ」
男はゆっくりと弟の方を振り返ると、右手を伸ばした。
「ちぃっ!」
弟……ラッセルは右手を鋭く突き出す。
ラッセルの右の手刀はそのままあっさりと男の左目を切り裂いた。
「……なぜ……避けない?……いや、殺さない!?」
「双子でありながら、私の影としてしか生きられなかったお前の気持ちは解らなくもない。だが、この世界はそう言った理不尽の塊だ。完全なる自由などどこにもない。もし、どこかにあるとすれば、それは…………いや、なんでもない」
男の左目は正確には切り裂かれていない。
手刀は眼球を切り裂かれておらず、あくまで切り裂かれたのは顔の皮だけだった。
「とりあえず、怒りや憎しみ……不満はこの傷で我慢しろ。お前にはもう少し私の影としてつき合ってもらう」
「なっ!? だから、俺は……」
「時が来たら解放してやる。それまでは死ぬことも殺されることも許さん、いいな、ラッセル」
「つっ……」
「この傷も、私とお前の顔の区別がついて丁度良い」
男は再び前を向き直ると、歩き出す。
男……アクセル・ハイエンドは、ラッセルが文字通り影のように自分についてくることを確信しているのか、一度たりとも背後を振り返えらなかった。



アクセル・ハイエンドは振り返らない。
立ち止まることも一度たりともなかった。
けれど、その彼がどこを目指して、何を望んで進み続けているのか、『影』として常にその背中を見てきたラッセルにも解らなかった。
異端者、異能者達の未来……解放だとか復讐だとか支配などに興味があるようには思えない。
ならば、魔界と地上を繋げること?
それは元々、ハイエンド家の悲願だった。
だが、アクセルが本気でそんなことを望むだろうか?
望むとしたらなぜ望む? 指図されることを、束縛されることを嫌い、ハイエンド家を滅ぼした張本人が、ハイエンド家の悲願を叶えたいなどと思うとは思えなかった。
「ラッセルか……」
水晶柱達のセットされた魔法陣を見つめていたアクセルが声を発する。
「はっ! 相変わらず隙だらけに見えて隙がない野郎だよ、あんたは。背後からブスリと殺ってやろうかと思ったのによ……」
「その機会なら常にくれてやっていたはずだ、我が影よ」
「ああ、そうだよ……あんたは常に俺に無防備な背中を晒していた。殺れるものなら……その覚悟と自信があるならいつでも殺ってみろとあんたの背中が語ってたさっ!」
アクセルの影の中から黒いレザーコートの金髪碧眼の男ラッセル・ハイエンドが浮かび上がった。
「なあ、あんたは何処へ行きたいんだよ? 何がしたいんだよ? アクセ……兄貴」
ラッセルは生まれて初めて、アクセルを兄と呼ぶ。
双子としてこの世に生を受けた直後から、兄の影武者、守護者としてだけ生きるようにハイエンド家の長老達に教育……調教されて育った。
長老達がいなくなった後も、変わらずこの双子の兄に支配され、影であり続けなければならなかった。
自分達は兄弟なんて関係じゃない。
本体と影だ。
自分はアクセル・ハイエンドという存在の影に過ぎない。
彼の背中だけを見つめ、決して追い越せない、掴めない、その背中を追い続けた。
「七つの水晶柱の力を反転起動させる……それはお前も知っているはずだ」
「魔界と地上を繋げる! 結界……阻み封じる力を、招く力にする! なんでだよ!? なんであんたがそんなことをしたがるんだよ!? あんたにはそんなことを望む理由がないはずだろう!」
「……ただ結界を完全に破壊して界と界を繋げるのではない」
「ああ!?」
「今、お前が言ったとおりだ。招く……召喚、それが私の望みだ。我が一族が崇めていたアレを呼び出す。闇の源流、魔眼の皇、絶対悪……」
「闇皇ファージアスだと!? 馬鹿な、あんなのを呼び出して、それこそあんたに何の得が……」
魔界の双神の一角、闇と悪という現象にして概念そのものの、全ての魔族の父。
ハイエンドの始祖である魔族が仕えていた存在であり、ハイエンド家はその『神』を信仰していた。
「あんたはじじい共と違ってあんなものを信仰してなかったはずだ……それなのになぜ……」
「闇皇……魔眼皇自身には用も興味もない。私が興味があるのは、あの存在が出現することによる影響だ。お前も知っているはずだ、彼の皇は……」
「……彼の皇は常に世界を埋め尽くすような強大な瘴気を身に纏い……その瘴気を浴びただけで、人間は息絶える……て、あんた何考えてるんだ!?」
「別に、私に明確な望みなどない。あえて言うなら、私は完全な自由というこの世に絶対に存在しないモノがずっと欲しかった」
「闇皇を召喚して、人間全てを滅ぼすことのどこが自由だってんだよ……狂ってるのか、兄貴?」
ラッセルはアクセルの仮面を睨みつける。
仮面に阻まれ、アクセルの真意、表情は読みとれなかった。
だが、ラッセルにはなぜか解る。
きっと兄の表情はこの無表情な仮面と同じだ。
無表情、無感情に、人間全てを滅ぼすと淡々と告げる。
それが兄……アクセル・ハイエンドという男だ。
「破滅願望なら、あんた一人が自殺すればいいだろうが……」
「誤解するなら、ラッセル。私はただ自殺がしたいんじゃない。見てみたいのだ、生者の一人も存在しない無限の荒野というモノを……その瞬間こそ、誰にも支配されず、何にも煩わされない完全な自由だと思わないか?」
「復讐とか支配の方がまだまだしだ……なんだよ、それは兄貴……あんた、他人を全て殺したいだけじゃないかよ! だいたい、闇皇があんただけ見逃したり、あんたの言うことを聞いてくれるとでも思っているのか!? 闇皇が出現したらあんたの命だって……」
「その心配は無用だ。私は、私の体を闇皇に依代として捧げる。私は闇皇の一部となって、彼の皇の目を通して、完全なる自由の荒野を目にする……それが私の辿り着きたい唯一つの場所だ……」
アクセルは笑っている。
仮面の向こう側で兄は、ラッセルが一度も見たこともない、期待に満ち溢れた幸せな表情を浮かべているに違いないと、ラッセルにはなぜか確信できた。
「兄貴……やっぱり、あんたは狂ってるよ! 俺なんかの何百倍もなっ!」
ラッセルは迷うことなく兄に飛びかかる。
それはいつか兄を倒しとって代わりたいという野望からの行為か、この狂人に世界を壊させないための崇高な行為か……それは誰にも、ラッセル本人にすら解らなかった。
とにかく、いますぐこの男を殺さなければいけない!
なぜ、もっと早くこの男の背中を刺さなかったのか!?
「そうだな……解放してやろう、ラッセル。私にはもう……影もいらない」
それが何だったのかラッセルには認識できなかった。
辛うじて認識できたのは、自分の体がそれによって跡形もなく消し飛ぶということ。
その絶対的な事実を他人事のように認識すると同時に、ラッセルは消滅した。



白い刃に黒い美しい紋様のされた大剣。
アクセルはその剣を片手で一振りしただけだった。
ただ一太刀の剣風。
それだけでラッセルの肉体をこの世から跡形もなく粉砕したのだ。
異界竜の牙。
遙かな昔、古代神を喰い尽くした異界からの侵略者、異形の異界神……『竜』と呼ばれる存在の元になったモノ……今はもうこの世界に一匹たりとも存在しないモノの牙だ。
異界竜の牙と爪は、神柱石でできた神衣や武具を容易く切り裂き、噛み砕く。
ゆえに、硬度という意味では、神界でもっとも硬い金属である神柱石さえ凌駕する最強にして絶対の牙だ。
だが、この『牙』を『剣』として使いこなせた者は地上には唯一人とて存在しない。
十神剣などと違って、異界竜の牙にはまともな人格……理性とでも言えるモノが存在しなかった。
狂った破壊衝動と殺戮衝動、それだけしか存在しない。
異界竜の牙を持った者は、その衝動に耐えかねて、自らの精神を牙に犯されて例外なく死に絶えた。
まともな精神や理性の持ち主ではこの牙とつき合うことはできない。
この牙を使いこなせる可能性があるのは、一切の衝動や感情を持たぬ者か、牙以上に狂った衝動……精神の持ち主だけだ。
アクセルはおそらく後者である。
彼の破滅願望……衝動が、牙の破壊と殺戮の衝動を凌駕したのだ。
要するにアクセルの方が異界竜の牙より悪質さが上だったということだろう。
狂った武器の使い手には、それ以上に狂った人間でなければ不可能なのだ。
「……私はあの男を殺し損なっていたのか?」
部屋の入り口から女の声。
「いや、確かにお前は細胞一つ残さずラッセルを殺し尽くした。ただ、ラッセルは予備の肉体を用意していたのだろう。消滅の瞬間、データ……記憶や人格と言ったモノを予備の肉体に転送し蘇った……まだ予備の肉体があるなら、今頃、蘇っているところだろうな」
アクセルはたいして興味なさそうな声で答えた。
「記憶や人格を継承しようが、それでば別人ではないのか?」
「さてな、それは魂や意識がどうしたこうしたといった哲学的で倫理的な話だ。後で、この技術を開発したコクマにでも尋ねてみるといい」
「コクマ……あの男の実験台になってまで不死や強さを求めるのか……人間とは愚かな生物だ……」
女は侮蔑を込めて吐き捨てるように言う。
「その言い方、まるで自分は人間でないみたいな言い方だな……ネツァク」
「お前こそ、人間的な考え方していない……アクセル」
紫色の髪と瞳の女……いや、少女ネツァクはゆっくりと室内に入ってきた。
「そうか? 自殺や破滅を望む動物は人間だけだと何かの本で読んだことがあるが……そんなに私の考え方は異質か?」
「……異質だ。いや、自分以外の全ての他者を殺そうなどと考えるだけならまだしも、実際に行動に移そうとする時点で間違いなくお前は異常だ……」
「ふむ、自分では己の異常さや狂いは解らぬからな……私にとってはこれは正常なことだ」
「そうだな……狂っている者に、己がどう狂っているのか解るはずがない……」
ネツァクは剣を抜刀する。
刀身無き柄だけの剣に、魔力の刃が構築された。
「話があって帰ってきたのではないのか?」
「聞きたいことは全てラッセルが聞いてくれた……もう何も語ることはない……」
外衣が紫水晶の輝きを放ち、この地上全てを覆い尽くしてもなお余りある、底の計れない無限の魔力の奔流がネツァクの体から溢れ出す。
「…………」
アクセルは異界竜の牙を両手で握り直した。
荒れ狂う魔力は周囲を破壊しながらも、ネツァクの紫光の刀身に収束し、凝縮されていく。
「紫煌(しこう)の……」
ネツァクは荒れ狂い、今にも暴発しそうな紫光の刃の剣を振りかぶった。
「……終焉!」
「吼えろ、我が牙よ!」
振り下ろされた超圧縮の紫光の刀身が閃光と化し解き放たれる。
紫光の閃光がアクセルを……世界を呑み尽くした。



「……ば、馬鹿な……ありえない……」
ネツァクは前のめりに倒れ込みそうになる体を、なんとか床に剣を突き刺すことで支えた。
彼女の眼前には、何事もなかったように平然とアクセルが立っている。
「剣風……剣の一振りだけで紫煌の終焉が掻き消されるなど……ぐっ!」
ネツァクは吐血した。
心臓の鼓動がおかしい。
その上、体中の血管から血が内側から噴き出すような錯覚を感じた。
いや、錯覚でないのかもしれない。
内側から体が崩壊していくこの感覚は紛れもない現実の痛みだ。
「これはただの『牙』だ。神剣のように特種な力など何一つ持っていない。ただこの世でもっとも硬く、もっとも鋭い、そしてもっとも強い……ただそれだけの何処までも単純な……剣と名乗ることすらおこがましい原始的な牙だ」
「…………」
あの牙の恐ろしさは誰よりも良く知っている。
以前、紫光剣を直してもらいに行った武器職人の倉で、文字通り自らの体で味わったのだ。
忘れるはずがない。
「…………はあああ……」
ネツァクは大きく息を吐くと、再び剣を振りかぶった。
「やめておけ、ネツァク。お前の体は二発目の負荷に耐えられない。仮に無理をして撃ったとしても、私に通じないことが解らない、お前ではあるまい?」
「…………」
荒れ狂う魔力は周囲を破壊しながらも、ネツァクの紫光の刀身に収束し、凝縮されていく。
「……ぐっ……」
体中から魔力だけではなく、命そのものが抜け出ていくような感覚がネツァクを襲った。
「紫煌の……」
それでも今の自分にできることはこれしかない。
アクセルとあの牙を相手にまともに打ち合う……剣術で勝負などできなかった。
魔力で生み出した刀身では、あの牙をまともに受け止められるとは思えないからである。
普通に刃を創る時程度の魔力量、圧縮率では問題外だ。
紫煌の終焉を放つ直前の魔力量と圧縮率の刃でなければあの牙とは互角に打ち合えない。
「……よかろう、見事散ってみせるといい」
アクセルは異界竜の牙を握る両手に力を込めた。
魔力を閃光……魔導砲のように撃ちだしても、剣風で掻き消される。
魔力でできた刀身で直接斬りかかっても、あの牙は切断できない、よくて互角の打ち合い、悪ければこちらの刀身が砕け散るかもしれなかった。
ならば、取るべき方法は一つしか思いつかない。
「……光槍(こうそう)!」
ネツァクはいつもなら、魔力を解放するタイミングで突進した。
牙をかいくぐって、剣を突き刺す。
それがネツァクのアイディアだった。
魔力を突進のスピードに、突きの鋭さに変換する形で解放していく。
巨大な紫光の槍と化したネツァクが、アクセルを貫こうと迫った。
「……突き抜けろ、我が牙!」
激突。
凄まじい爆音と共に、紫色の閃光が世界を覆った。



それはあまりにも残酷で無慈悲な結果だった。
全魔力、全身の体重を乗せての捨て身の突進。
もし、アクセルが牙の背で受けたり、刃で切り払おうとしたなら、牙を回避して魔力の刀身を突き刺すつもりだった。
だが、アクセルは瞬時に上段からの振り下ろしから、『突き』に切り替える。
いや、より正確に言うなら、突きではなく『投げ』だった。
突きだしたアクセルの手から、異界竜の牙は弾丸のような勢いで飛び出す。
そして、ネツァクは自らの突進の勢いゆえに、自分からその牙に突き刺さりにいってしまった。
牙がネツァクの胸に突き刺さる。
それでも、ネツァクは止まらず、牙を失い無防備になったアクセルを貫こうとした。
しかし、それは叶わない。
アクセルは、ネツァクの最後の特攻を『受け流し』たのだ。
舞うような動作で、軽やかに、紫光の槍と化したネツァクを後ろに流すように回避する。
ネツァクはそのまま壁に激突した。
亡霊舞踏師とも呼ばれる彼独特の舞……体術である。
異界竜の牙による直接的で暴力的な力の前に、その彼本来の優雅な体術の存在など完全に忘却の彼方だった。
それがネツァクの敗因。
最大の力の一撃に、同じく正面から最大の力でぶつかってくるのではなく、華麗に優雅に受け流す……それこそがこの仮面の悪魔の戦闘スタイルだった。
「……っ……ぅ……」
壁に穿かれた大穴。
その真下に散らばる瓦礫の中にネツァクは埋もれていた。
ネツァクはまだ微かにだが息がある。
「戻れ、我が牙よ」
ネツァクの胸の中央に突き刺さっていた異界竜の牙は独りでに抜けると、アクセルの手の中に吸い込まれるように戻った。
「死にきれぬか……今、楽にしてやろう」
アクセルは異界竜の牙を持った右手を振りかぶる。
その右手が振り下ろされた瞬間、ラッセルと同じようにネツァクが消し飛ぶのは間違いなかった。
「……さらば、同志……いや、友よ」
「友達だと思ってるなら、簡単に殺そうとするなっ!」
アクセルの左手が振り下ろされようとした瞬間、銀色の光が飛来し、アクセルの手から異界竜の牙を弾き飛ばす。
「……いつかのクリアの魔術師か」
「よ〜く覚えておきなさい、この悪の総帥! クロスティーナ・カレン・ハイオールド! それがあなたを倒す美少女魔術師の名よ!」
室内に姿を現すと同時に、クロスは高々とそう宣言した。











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一言感想板
一言でいいので、良ければ感想お願いします。感想皆無だとこの調子で続けていいのか解らなくなりますので……。



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